通信回覧板

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どんなときもWi-Fi炎上騒動

どんなときもWiFiとはデータ通信を無制限で使えることを謳ったモバイルルーターサービスである。グッド・ラック社により提供されてます。2月頃から障害を起こし、事後対応含め炎上中なので今一度騒動を振り返りたいと思います。

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出典:どんなときもWiFi

【公式】どんなときもWiFi | 通信制限無しモバイルWi-Fiルーター

どんなときもWiFi基本データ

モバイルルーターサービスはWiMAX含め有象無象ある中で、どんなときもWiFiが選ばれていたのは下記のような特徴があるからだ。

  • データ通信量無制限
  • 2年縛りで月々3480円
  • トリプルキャリア対応
  • 海外でも使える
  • CMなどでよく知られている

WiMAXのように2年縛りがあるのはやや難点だがデータ通信無制限で月3480円なら素直に安い。(私も契約を考えていました)

トリプルキャリア対応というのはルーターau/docomo/Softbankに対応してるので、障害などにより特定のキャリアの電波が使えなくなっても他のキャリアの電波を自動で捕捉できるという意味です。またテレビCMもしていたので消費者から信用できるサービスだと認知されていたのだと思います。

 

障害の内容

障害①:2/21〜2/29にかけて一部ユーザーに通信不具合(低速化)

障害の内容について当初、 グッド・ラック社はSIMの一部にキャリア側のトラブルが発生していると説明しています。あれ?トリプルキャリア対応だから一部キャリアの問題ならどうにかなるのでは?

その後、緊急の回線増強によりひとまずは収束したようです。結局グッド・ラック社のリリースを読んでもどこの設備にどんな障害があって何故復旧したのか分からずモヤモヤが募りました。

 

障害②:3/18〜一部ユーザーに通信不具合(低速化)

障害①から3週間経たずにまた同様の障害が発生しています。曰く今回の障害の原因は下記2つのようです。

  1. 一部キャリアからのSIMカード提供がストップしていてSIMの増強に遅延が発生
  2. SIMカードを動かすための設備の製造および発送が停止、遅延

 

1.はデータトラフィックの増加により、2.は新型コロナウイルスの混乱が影響としていますが、1.もコロナウイルスの影響によりテレワークが増えてたことに起因すると思われるので実質同じ原因でしょう。

 

1.についてもう少し詳しく説明すると、どんなときもWiFiクラウドSIMを使っているため、ルーター1台につき1つのSIMが対応するわけではありません。グッド・ラック社が運用するサーバーに差し込まれたSIMカードを任意に割り当てるという構成を取ります。(下記画像参照)

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出典:GLOCALNETよりクラウドSIM、クラウドWiFi、バーチャルSIM、eSIM | 株式会社グローカルネット

したがってトラフィックが増えるとSIMカードを増やさなければなりませんが、一部キャリアよりSIMカードが届かないため対応できてないというわけです。

Twitter見るとどんなときもWiFiはほとんどソフトバンクを掴むそうなのでおそらく一部キャリアとはソフトバンクのことでしょう。

そしてこれらの障害を通して1番問題なのはどれほどのユーザーに不具合が発生しているかをグッド・ラック社自身が把握できていないことだと思います。キャリアはMVNOが障害起こしたらユーザー影響数出しますよね?それを出せていないという状況です。

 

ユーザーへの対応

これらの障害を受けてグッド・ラック社は障害を起こしているユーザーは自己申告すれば3月分の利用料金を返納すると発表しました。ただでさえ使えずにイラついてるユーザーに冷や水をかける行為であり案の定大炎上しました。挙げ句の果てには被害者の会まで立ち上げられる始末であり、対応の杜撰さが目立ちました。

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その後ユーザーからの猛抗議により3月分の利用料金の返金対応を発表しています。

 

さいごに

いかがだったでしょうか。この手の通信障害による返金騒ぎはどんなときもWiFiに限らず過去にも事例があったかと思います。にもかかわらずなぜ過去の事例を学ばずにこんな対応してしまったのか理解に苦しみます。またこの騒動は信頼を構築するのは時間がかかるが、失うのは一瞬ということをよく示した例だと思いますので反面教師として記憶しておきたいですね。